近年、クラウド型の電子薬歴が数多く出てきています。
ですが、実際、「どの電子薬歴が自分の薬局に合っているか分からない」「どの電子薬歴が自分の薬局の実情と相性が良いのか悩んでしまう」にという方も多いかと思います。
今回は、各種メーカーの中でも、クラウド型電子薬歴のリーディングカンパニーとして取り上げられているメディクス(株式会社アクシス)の感想をまとめました。
これから電子薬歴の導入を検討している方は、「どういった点でメディクスを選んだのか」「自分たちの薬局に似ている点はあるか」など、参考にしてみてください。
電子薬歴メディクスの生の声
肥後薬局 日赤前店
・店舗数:3店舗
・薬剤師数:10人程度(事務含め23人)
・特徴:訪問調剤にも注力
・元薬歴:紙薬歴
導入背景
・紙薬歴で、薬歴の記載時間が長い
・薬剤師の経験の差から来るハイリスク薬指導の属人化
メディクス導入目的
・薬歴業務の効率化
・ハイリスク薬指導強化
メディクス導入の決め手
・「指導支援」機能で、タップ入力で手早く自然な文章を作成できる。
・登録した指導文を店舗間でも共有できるので新人さんが入った際も薬歴の質の均一化も期待できる。
・画面遷移が少ない構成で、システムが苦手な人でも入力で迷うことが少ない。
・iPadとPCと画面構成が同じなのでストレスなく使える。
・他社よりも導入コスト、維持コストが安い。
導入後の声(抜粋)
紙薬歴に記載していた時より薬歴の質が向上したと思います。
例えばハイリスク薬が処方されている患者さんに投薬する場合、メディクスの独自機能である「ハイリスク指導支援ガイダンス」機能の項目を確認してから投薬に臨むことで、より的確な服薬指導を実施することができて、その情報が薬歴にもしっかり反映される。指導内容も記載内容も充実させることが出来て、非常に使いやすいと思っています。
薬歴業務も短縮出来ました。
1店舗内での使用台数無制限ということをいかして、鹿田本町店では8台の端末で運用しています。
記載以外のことで言えば、薬歴システムの細かい設定なども本部から変更可能なので助かっています。これもクラウド型のメリットですね。玉野店は本店から車で40分ほど掛かるので、行ったり来たりすると大変です。その分、薬剤師本来の仕事に充てられると考えると、業務効率化以上の価値があるのではないかと考えています。
* 出展:メディクス導入で薬歴の質が向上、患者さんや地域に認められる薬剤師を育成
有限会社とみおか薬局
・店舗数:1店舗
・薬剤師数:パートを含め6人
・特徴:面展開型店、在宅業務にも注力
・処方箋枚数:1日平均80 ~ 90枚程度
導入背景
・タブレット端末での薬歴管理がしたい
・業務効率化だけでない服薬管理の質向上
メディクス導入の決め手
・家族などの複数薬歴を見る際、その都度ファイルを閉じたりする必要があったが、複数患者の薬歴をタブ切り替えだけで、同時に閲覧・入力が可能
・処方薬に紐づけたテンプレート自作で、入力作業を大幅に効率化
・簡単に写真を撮って保存できるようになったこと
・薬歴の書式や確認事項・頭書きの項目などの自由にカスタマイズ性。
・タブレット端末で使用可能
導入後の声(抜粋)
以前から、タブレット端末を使って薬歴管理をしたいと考えていました。
据え置き型のタイプは場所も取るし、足の悪い患者さんを投薬カウンターまで来てもらうことにも抵抗がありました。
メディクスはタブレットでもパソコンと同じように使えて、どこでも入力ができるようになりました。
なにより、タブレットに対応したことで、薬歴を持ち運びできるようになったことが一番分かりやすいメリットです。
今回処方された薬や、過去に処方されて飲み残した薬とのチェックはもちろん、患者さん毎に過去に合わなかった薬や併用薬を登録しておくとメディクス が的確に薬のチェックをしてくれることも大きなメリットです。
薬剤師の本来業務ではありますが、服薬指導時の見逃しを回避できることで、より安全な服薬管理を実現することができるようになりました。
* 出展:電子薬歴メディクス導入で確かな手応え、タブレットを活用しハイレベルの服薬管理を実践
その他、メディクスを導入している薬局
メディクスを導入している薬局には以下のような会社があります。
(掲載内容は調査時点の情報になります。各薬局の最新情報は公式サイトやプレスリリースからご確認ください)
株式会社フォーラル
株式会社アルプ
https://mediaxis.jp/news/vkbgv0twa/
有限会社モリ薬局
https://www.olive-pharmacy.co.jp/activity/
導入薬局から見るメディクスのメリット
このように見てみると、電子薬歴メディクスを導入している薬局の特徴としては、在宅に注力していたり、ハイリスク指導等の指導の強化をしたいという薬局にぴったりな印象です。
また、指導文を店舗間で共有できるので、複数店舗を経営している薬局にも向いていそうですね。
薬局間の薬剤師の移動が多い地域密着型の薬局でも真価を発揮しそうです。
また業務効率化により、残業が減るというのはどこの電子薬歴メーカーも謳っていることですが、指導文の共有による薬歴の質の向上と薬剤師のノウハウの共有ができるのは新人さんへの教育コストの点から見ても魅力的です。
メディクスがどのような薬局に向いているか
今回は電子薬歴メディクスを実際に導入している薬局の声を参考に、メディクスがどのような薬局に向いているか解説しました。
実際に導入している薬局の生の声だからこそ共感する部分も多かったかと思います。
個人的には、メディクスは使い方さえマスターすれば、今まで薬局の業務の流れを変えることなく細かいところが便利になる印象です。
1画面の情報量は多いですが、逆に、画面遷移が少なくて済むので、オペレーションの「手数」は減ると思います。
「今までのオペレーションはできるだけ変えたくない」「現場が操作を覚える手間をできるだけ減らしたい」という薬局にもおすすめです。